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名大生の一日

リーディング大学院 海外実地研修 -インドネシア③-

こんにちは。小川高広です。今日は私が博士課程リーディングプログラム(リーディング大学院)「ウェルビーイング in アジア実現のための女性リーダー育成プログラム」時代に参加したインドネシアでの研修について総まとめをお伝えします。名古屋大学では海外研修や留学など様々なプログラムがあり、学生ならばそれに参加することができます。

 

受験生の皆さんは地理を勉強していますか?センター試験で地理分野から出題されると思いますが、皆さんは得意ですか?世界や日本の様々な衣食住や気候、民族など住んでいる人々について、幅広く学べる分野なので、私は地理が得意で、好きな教科の一つです。インドネシア???地理を勉強している人は学校の地図帳を見てください。インドネシアは東南アジア諸国の中で大国の一つです。東から西まで広大な地域に数千の島々から成り立っており、300以上ともいわれる民族から構成された多民族国家で、東南アジアで最も人口が多い国です。

最近では経済が好調なインドネシアにビジネスチャンスを求め、日本の企業が積極的に進出しています。日本の人口の2倍以上の2億人以上の人々が住んでいるので、企業にとって魅力的な市場です。

 

今回初めてインドネシアへ行ってみて、まず驚いたのは子供たちの多さでした。都市部でも農村部でも街を歩いてみると、高齢者よりも若者が多いです。いたるところで子供たちを見かけます。それもそのはず、人口の構成は典型的なピラミッド型です。お年寄りは少なく、若い世代が人口の多くを占めています。日本では街を歩いていると、子供の姿よりも、高齢者の姿を目にすることの方が多いので、新鮮に思いました。

 

さて、 この研修では現地の人々に対し、インタビュー調査を行い、どのような状況なのかを調査しました。滞在期間中には様々な学校や医療関係施設、農村地域などを訪問し、現地の状況を自分の目で見て、そして、現地の方々から話を聞いて回りました。約一週間と短い期間でしたが、貴重な情報を得ることが出来ました。現地の人々と話して感じましたが、みんな向上心が強いように感じました。たくさん勉強して、たくさん稼げる仕事に就き、家を買い、車を買い、よりよい生活を手にしたいと思う気持ちが非常に強いようでした。これが、好調な経済を支えているのかもしれません。

 

今回訪問した場所はどこも印象深かったのですが、その中でも特に印象深かったイスラム教の寄宿学校と農村について少し触れたいと思います。まず、イスラム教の寄宿学校についてです。寄宿学校と聞いても、ピンと来ないと思います。名古屋や安城にモスクはありますが、イスラム教の寄宿学校は日本にはまだないと思います。この施設はイスラム教の経典、コーランなどを学ぶ学校として開設されています。インドネシアの全国各地はもちろん、イスラム教が信仰されている地域では同様の学校が多くあります。通学している生徒のほか、学校内に併設されている寄宿舎で生活している生徒も多くいます。ここでは学校を見学させてもらいました。

 

また、今回の研修では都市部だけではなく、農村部にも足を延ばしました。そこでは、玉ねぎの選別場を訪れました。訪問した地域では農業が盛んで、特に玉ねぎが特産物ということでした。ここでは、女性の作業員の方々が朝7時から夕方6時まで、一時間の昼食と15分のお祈りの時間を除き、一日中玉ねぎの選別に従事しています。農村部では職業が限られていますので、玉ねぎで生計をたてている人たちが多かったです。もちろん、より稼げる仕事に就きたいと考えている人もおり、そのような人は都市部に出ます。農村部には、あまり仕事がなく、他に仕事を見つけることは難しいのが現状との話を伺いました。また、別の問題として、農薬の話もありました。インドネシアでは、まだ農薬についての理解が進んでおらず、決められた量より多く使用するなど、正しい使い方がされていないそうです。その結果、健康被害が生じるのではないか、農薬は悪いものだと考える人もいるそうです。

 

もちろん、農薬の使用が必ずしも「悪い」とは限りません。特に、熱帯地域は気温が高く、虫にとって居心地のいい環境です。そのために、玉ねぎのようなおいしいものがあれば、すぐに虫に食べられてしまします。害虫の繁殖が旺盛で、害虫に弱い玉ねぎは農薬なしでの栽培は難しいのが現状です。しかも、玉ねぎは土の中にありますので、虫の発見も容易ではありません。また、害虫がつかなくとも、病気にもなることもあります。だから農薬を使って、虫の繁殖や病気を防ぐ必要があります。これは玉ねぎだけではなく、作物すべてに共通することです。インドネシアの場合、特に人口も多いので、病害虫によって、農作物を失うことは大問題です。ある程度の収穫を維持しなければ、食べるものがなくなってしまいます。農薬の適切な利用がまだまだ定着していないことが、インドネシアの農村での課題の一つだそうです。

 

農学は作物の生産性向上を主な目的とする学問です。作物の改良のみならず、農薬についても研究している先生がいます。もちろん、名古屋大学の農学部も様々な研究室や先生がおり、充実しています。

農作物は現地の気候や土壌など風土に合ったものでなければ、栽培することは難しいです。農薬も同様です。他の国で使用されているものをそのまま現地に入れても、うまくいきません。様々な視点でみていくと、農業は非常に難しい産業だと思います。日本では名大などの研究によって、病気や害虫に強い安全な作物や、安全な農薬が開発され、様々なルールの上で使われているので安心です。しかし、途上国では、害虫に強い作物品種の開発や、より安全な農薬の開発が追い付いておらず、安全な農作物の栽培は大きな課題です。少しでも早く、今の状況が改善されることを願っています。

 

世界に目を向けると、いろいろな人や文化、環境などに出会います。社会の問題など考えさせられることにも出会います。また、日本にいればあまり気が付きませんが、インドネシアなどの東南アジアでは多くの日本製品があふれています。「海外実地研修-インドネシア①(http://jukensei.jimu.nagoya-u.ac.jp/voice/oneday/post_62.html)」で紹介したバイクはその代表で、日本とのかかわりを感じる場面にも遭遇します。皆さんは今勉強で忙しいかもしれませんが、名古屋大学に入学すれば、海外研修や留学などのプログラムがあり、海外へ飛びたてるチャンスが多くあります。もちろん、キャンパス内で、様々な国の留学生に出会うことができます。インドネシアからの留学生も多く、キャンパス内にはイスラム教徒のためにお祈りをする場所もあります。高校とは違う体験やそのチャンスがあるのが大学です。受験も近くなっていますが、皆さんが無事に名古屋大学に入学し、日本だけではなく、世界に目を向け、活躍されることを願っています。(写真の解説 学校の教室、農村風景、玉ねぎが積まれたトラック、選別場、畑)