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名古屋大学の特徴-男女共同参画-

こんにちは。小川高広です。皆さんはテレビや新聞、インターネットなどで聞いたことがあるかもしれませんが、安倍総理大臣が就任して以降、「女性の社会進出」や「女性の活躍」について、耳にする機会が多くなりました。国の成長を促進するにあたり、政府の政策として、今まで以上に男女共同参画を積極的に行っていこうとする方針のためです。すでに知っているかもしれませんが、現状では日本の国会議員数や企業の役員に占める女性の割合が、ヨーロッパの国々やフィリピン、中国など他のアジア諸国と比較し、低いことが指摘されています。少しでもその状況を改善しようと政府は様々な政策を現在進めているところです。政府機関や大手企業などでは女性の管理職を今よりも増加させることを目標にし、業務を進めています。また、最近よく言われている「働き方改革」にも男女共同参画は関係しており、子育て中の方が男女問わず、働きやすい環境を整えていくことにも力が入れられています。このように社会全体で努力が進められています。

 

このような流れは政府機関や大手企業などにとどまりません。皆さんが目指している名古屋大学でも、男女共同参画は重要視されています。受験生の皆さんはもしかすると、まだ知らないかもしれませんが、名古屋大学は男女共同参画について、全国の国公立、私立大学の中でも、最も積極的な大学として知られています。名古屋大学の大きな特徴の一つですので、今日は皆さんにお伝えしたいと思います。

 

皆さんの高校では男性の先生が多いですか?女性の先生が多いですか?大学は男性の先生の方が多いのが現状です。大学の教員に男性が多い理由として、大学院に進学する女子学生が少ないことが要因の一つと言われています。皆さんが今目指している学部では、もちろん卒業研究などありますが(一部の学部にはありませんが、それに近い課題などが与えられることもあるようです)、基本的に研究は大学院で行います。大学院への進学は、大学教員を目指す学生がほとんどの割合で通る道です。しかし、大学院へ行く女子学生が男子学生に比べ少ないので、その結果、大学教員に女性が少なくなっています。その理由として、女性が研究しにくい環境が指摘されていました。また、大学は子育てとの両立が難しいことが問題だとする先生もいました。

そこで名古屋大学では研究環境を改善していこうと、全国の大学の中でいち早く、2006年にキャンパス内に保育園を設立しました。教職員のみならず、大学院生の利用もできるようにしました。そして、小学生を放課後に預かる学童保育を全国の大学で初めて導入しました。このような職場環境の改善に関連し、今まで夕方に開催されていた会議を禁止し、他の時間にすることで、残業をしないで定時に帰宅することを推奨しました。育児のための休暇取得や、子育て中の教職員の時間短縮就業を認めるなど、子育てと研究・業務の両立がしやすいように、改善策を打ち出してきました。それは今も続き、子育て中の教職員や学生への応援を進めています。このような名古屋大学の取り組みは、男女共同参画を進める政策が当たり前のようになっている今では、ごく普通のことかもしれません。しかし、まだ男女共同参画に対する理解が進んでいなかった当時としては、先進的な取り組みだったと男女共同参画を担当する先生はおっしゃっていました。

 

このような名古屋大学の積極的な活動は国際的にも評価されています。皆さんは名古屋大学が男女共同参画に積極的であるとして、国連機関UN Womenによる「HeForSheキャンペーン」を推進する「世界の10大学」(IMPACT10×10×10)に選ばれていることを知っていますか。もしかして、受験生の皆さんは「HeForShe」を知らないかもしれません。今度、名古屋大学東山キャンパスに来た時に、看板があるので見てみて下さい。地下鉄の1番出口付近、経済学部の建物の近くにあります。「HeForSheキャンペーン」は世界規模で行われている活動で、男性や女性といった性別とは関係なく、平等を実現する運動です。女性だけではなく、男性にも運動にかかわってもらうことも目的の一つとしているそうです。このような男女の格差を埋め、さらに男女共同参画を推進していこうとする活動の一つ「HeForSheでは 男女共同参画に積極的な各国首脳、大学や企業などを選び、この活動を広げようと展開しています。名古屋大学は2015年に選ばれました。日本からは名古屋大学の他に安倍総理大臣が選ばれ、さらなる男女共同参画が期待されています。

 

さて、名古屋大学ではこのHeForSheの活動について、関連イベントが毎年行われています。私もその様子を以前見学してきました。そのイベントでは松尾総長からのあいさつがあり、名古屋大学の取り組みが紹介されました。また、参加者にはリストバンドや啓発用のはがきがプレゼントされました。こういったイベントは、学内だけではなく近隣の大学でも開催されています。男女共同参画の観点から女性研究者に焦点をあてた講演会で、名古屋大学で男女共同参画を担当する先生が、パネリストとして参加されていました。名古屋大学では、教職員の皆さんが働きやすい環境を整え、子育てしやすい環境、男女ともに快適な職場環境をつくるために日々尽力していることが紹介されました。それに加え、ご自身の苦労された経験を交えながら、講演会に来られた参加者にエールを送られていました。先生が学生だった頃は、今では普通に考えられている男女共同参画という考えは、男性が多い大学社会にはなかったそうです。そのために男性からの理解が得られず、苦労も多かったそうです。仕事を選ぶのか、結婚・子育てを選ぶのか、二者択一が普通の時代でもあり、多くの女性は仕事の継続を諦めたそうです。これは特別な話ではなく、その当時はどこでも同じようなことがあったそうです。講演会に参加されていて、長年大学で働いているという女性の先生や職員の方々の多くも、同様のことをおっしゃっていました。大変な時代を送ってきた先生方は「同じような苦労を、今の世代や将来の世代にさせたくはない。そして、女性ばかりに視点があてられていますが、男性にも子育てなど働き方で悩んでいる人たちがいます。男女問わず、働きやすい環境を今後も目指して行きたい」と話されていました。

 

最後に名古屋大学の取り組みについて紹介します。名古屋大学ではAICHI女性研究者支援コンソーシアム「女性研究者活動支援事業(連携型)」という、次代を担う女性研究者を育成するプログラムを行っています。このプログラムには名古屋市立大学、豊橋技術科学大学やトヨタ自動車株式会社、愛知中小企業家同友会、愛知県経営者協会、名古屋市や愛知県も協力しているそうです。女性研究者を支援するための情報を共有し、協力関係を構築しています。そして、ジェンダー問題に関するセミナー、理系女子高校生のための進学推進セミナーなども開催しています。また、最近では男女共同参画を担当する部門が強化され、男女共同参画やジェンダーに関し、研究を推進するためのセンターが学内にできました。名古屋大学はもちろん、国内外の男女共同参画推進の拠点になるそうで、センター附属の図書室も設立され、男女共同参画などに関する2万冊以上の書籍が収蔵されています。

 

名古屋大学がHeForSheキャンペーン「IMPACT10×10×10」の世界の10大学に選ばれたことは光栄なことです。私も出来ることがあれば、協力していきたいと思います。これからも社会全体がよくなるように男女共同参画が進めばいいなと思いますが、今よりもさらに参画を進めていくためには、男性はもちろん女性からの理解も必要不可欠です。また男女には生物的な差や、それぞれの国の文化や歴史、社会的な背景があります。社会を急に大きく変えることは出来ませんし、場合によっては社会の混乱をもたらします。その点には注意しながら、男女問わず、持っている能力が正当に評価され、働きやすい職場環境や学習に打ち込める学習環境など、少しづつ社会が良い方向へ進むことを願っています。今後も名古屋大学では、男女共同参画に関するイベントなどが開催されると思います。よかったら皆さんも、ぜひ参加してはいかがでしょうか。

(写真の説明 東山キャンパス内にある「HeForSheキャンペーン」に関係する看板。新しくできたジェンダー関連の施設・その内部の様子。女性の権利宣言などの掲示もある。「HeForSheキャンペーン」やAICHI女性研究者支援コンソーシアムのイベントの様子。「ジェンダーと名古屋大学」という題で、日本学術会議が主催し、東山キャンパスで講演会が行われた時の様子。名古屋大学の松尾総長をはじめ、所属する先生方から名古屋大学の男女共同参画への取り組みや男性が多い大学での苦労話など女性の先生の経験談が話された。)