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名大の周辺環境

名古屋大学生の人口・移動人口と名古屋の地下鉄駅別家賃相場

こんにちは。いつも記事をお読み頂きありがとうございます。今回の記事では、特に名古屋大学に入学して東山キャンパスに通う事になる方には関係の深いと思われる、東山キャンパス周辺の賃貸事情について書かせて頂こうと思います。自分自身の求めるものにマッチしていて尚且つ家賃が低い、というのは普通誰もが理想とするところだと思われますが、名古屋大学に入学して東山キャンパスの周辺でこの理想に近づこうとする際に、今回の記事内容が一つの参考になれば幸いと思っております。

 

1.

 

私が名古屋で部屋を探していた時に最後まで気になっていたことは、自宅外通学の大学生(の人数)というのはその地域の平均的な家賃に影響を与えるほどなのか否か、ということです。言い換えれば、(A)「自宅外通学の大学生は、一般的には魅力が低いような大学周辺の地域に、一般的には魅力が低いゆえに安く住むことができる」のか、それとも(B)「それらの学生が大学周辺の地域に集中することで平均的な家賃を押し上げるから、そのような旨味にはやはり対価が伴ってしまう」のか、ということです。そんなことを気にしてどうするのかといえば、これは「ある物件が妥当な値段(家賃)に比べて高い/普通/安すぎる」といった自分の印象に関わってきます。そこで間違った印象を持ってしまい部屋探しを失敗あるいは難航させないためには、やはりこの事を気にするのは無駄ではないと思われます。

 

結論など
この問いに答えるためには、どういう場合に(A)と言えるのかをちゃんと定義して実証にかける必要があるのかもしれません。この記事ではそういったことを行わないので、その意味では明確な回答は出ませんでした。以下に述べていきます作業を終えた自分の直感的な感想としては、(A)自宅外通学の大学生の影響というのは地域の平均的な家賃を動かすほどではないのでは、と感じました。また、回答が出なかった原因として、視野を広くとり過ぎて大学のごく周辺についての事情がよく分からなかったのではないか、という点が挙げられます。

 

2.

 

さて、ここから具体的に上の事を調べたいと思います。自宅外通学の大学生数がその地域の平均的な家賃に影響を与えるほどか、ということなので、まずは単純に人口比を調べます。まずは名古屋大学の学生数だけについて調べます。

 

名古屋大学の学生数と周辺区の人口
名古屋大学の学生数は「学生数」("http://syusyoku.jimu.nagoya-u.ac.jp/data/students.html")より、2015年5月1日時点において学部生(10187)と院生(6252)の合計で16439人です。「名古屋大学 学生下宿事情」("http://www.gesyuku.org/nagoya-u/")によれば、自宅外通学者は学生数の55%程度ということですから、このうち9041人(=16439人*0.55)程度が名古屋大学東山キャンパスの周辺に住んでいると見てもさほど大きな誤差は無いと考えます。一方で、名古屋大学東山キャンパスの位置する名古屋市千種区(以下「千種区」)と同キャンパスの下縁が接している名古屋市昭和区(以下「昭和区」)については、「区別人口の長期推移」("http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/67-5-5-21-0-0-0-0-0-0.html")より、2015年10月1日時点において人口の合計が271866人です。したがって、時点のズレ等を無視すれば、名古屋大学東山キャンパスの周辺に住んでいる名古屋大学学生の人数は、千種区と昭和区の人口数合計に対して0.03326倍(=9041/271866)程度であると言えます。

 

名古屋大学生の移動数と周辺区の移動数
ここまで述べましたのは一時点の数字ですが、大学生の1人1年あたりの移動回数は大きいらしく、移動数を調べると数字は改善します。一時点の人口の代わりにむしろ移動数を用いるのは何故かというと、これがこの地域の住戸に対する顕在的な借手や買手の数であると考えるからです。まず名古屋大学の学生について、「1年の間で東山キャンパスの周辺に移動してきて住む名古屋大学の学生というのは、学部学生数の1/4(≒学部新入生の人数, 医学部等の誤差を考慮せず)に自宅外通学者の割合55%を掛けた人数だけである」というやや雑な想定に従えば、この移動数は1401人(=10187人*(1/4)*0.55)程度になります。そして再び千種区と昭和区について調べると、「第21表 区別、年齢(5歳階級)別転入数、転出数、社会増減数 (XLS形式, 42.50KB)」("http://www.city.nagoya.jp/somu/page/0000077969.html")より、転入者数は2014年10月~2015年9月において両区合計で23253人です。これら2つの数字から名古屋大学東山キャンパスの周辺への名古屋大学生の移動数は、千種区と昭和区への移動数合計に対して0.06025倍(=1401/23253)程度であると言えます。

 

移動数の比率に対する見方
6%というのはこれだけで大きい数字のように感じます。この数字が大きいというのは、最初の問いに戻って言えば、(B)自宅外通学の大学生(の人数)はその地域の賃貸事情に影響を与えるほど大きくなりうる、という事を支持します。実際には、名古屋大学東山キャンパスに通う自宅外通学者も千種区と昭和区の全域に広がって住んでいるわけではないでしょうから、同キャンパスの周辺における学生の影響はこの数字よりも高く見積もられて然るべきと考えます。

 

両区内のいくつかの大学の学生数合計
さらにまた、6%というのは、ここまで名古屋大学の学生だけを考えてこれに千種区と昭和区全体を結び付けた計算で得た比率ですが、「愛知県名古屋市の大学一覧」("http://eduon.jp/school/university/%E6%84%9B%E7%9F%A5%E7%9C%8C/%E5%90%8D%E5%8F%A4%E5%B1%8B%E5%B8%82/")では、千種区または昭和区にキャンパス等を置く「大学」(この資料は短期大学(部)のみを設置する大学は含んでいない。以下、これと整合させるため、4年制と短期を併設する大学についても短期大学部の学生数を数えない。)が、9つ挙げられています。この中で「~大学(○○キャンパス)」というキャンパス名等の付記があるものを除いても、N大(約9000+500, 2016年5月1日時点(=以下名古屋大を除き共通), 概数は249捨て250入れによる(=以下共通))、S女学園大(約6000)、名古屋大(約10000+6500)、N工業大(約4000+1500)、C大(約13000)の5校合計で約50500人の学生数が数えられます。上で移動数の根拠とした「学部学生数の1/4」についてもやはり、名古屋大単体の約2500人に比べて5校合計で約10500人の学生数が数えられます。

 

ここまで見てきますと、学生数の人口比や移動数の比という観点では、自宅外通学の大学生がその地域の賃貸事情に与える影響はかなり大きくなりうる、という事が言えそうです。

 

3.

 

名古屋市の地下鉄駅周辺の家賃相場
再び最初の問いに戻って、今度は実際の家賃相場とその地域の大学とについて調べてみたいと思います。「名古屋市営東山線の家賃相場情報」,「名古屋市営鶴舞線の家賃相場情報」,「名古屋市営名城線の家賃相場情報」("http://www.homes.co.jp/chintai/aichi/line/price/"から, 参照日:2016年12月10日)によると、参照日には各駅周辺における「ワンルーム・1K・1DK」の家賃相場は下表の通りでした。後で利用する「2LDK・3K・3DK」についても併せて掲げておきます。


家賃相場
※単位:万円
※データ出典:前掲「名古屋市営鶴舞線の家賃相場情報」

 

家賃相場の近い駅を結んだ線
これらについて「ワンルーム・1K・1DK」の家賃相場が近い(.00~.49、.50~.99、といったふうに0.5万円ごとに分けたとき同じ所に入る)駅どうしを等高線のように結び、一部補完したものが下図になります。本来の意味での「等高線」は、下図内に引かれた各ラインの間を走っていることになりますが、以下ではあまりこの違いを考慮しません。また、普通各駅にごく近いところでは平均的な家賃というのは突出していると思われますが、下図はそれを反映していません。あくまでも巨視的な図ということになります。


家賃相場の近い地下鉄駅を結んだ線
※地図データ出典:(c)2016 Google, ZENRIN

 

図から分かる特徴
さて、上図中から言えることをいくつかまとめ、そのうえで名古屋大学東山キャンパス周辺の状況について言及したいと思います。まず(1)「名古屋市の中心市街地の方へ行くにつれ家賃相場が高くなっているものの、東山線沿いの各駅周辺で家賃相場が高くなっており東の方まで尾根のように食い込んでいる(右へ向かって長く伸びている赤い線)」という特徴を指摘することができ、これは直感にも一致しています。また、そのような特徴を前提するなら(2)「この広域図では、大学の位置が明らかに影響しているような様子は無い」ように見えます。というのも、上図が基本的に(1)のような特徴に素直に従っているので、それとは別に大学の位置が影響して線の形を歪めているような様子は見られない、ということです。

 

少し気になるのは、(3)「八事駅(図中最下部, 黄色のラインが通っている駅)に向かって家賃相場が低くなっている」という傾向で、これは(私の)直感にはやや反します。実際、八事駅の周辺で前掲表の「2LDK・3K・3DK」の家賃相場に従って近いところを線で結べば、次の図のように八事駅に向かって家賃相場が高くなっており、先ほどとは違い直感に一致する形です。この図に関しては、線の色が表している範囲が上の図とは異なっており、また、薄いオレンジ色のラインと緑色のラインの間が懸け離れていて7.00~9.49万円にあたる各線が省略されています。

 

家賃相場の近い地下鉄駅を結んだ線, 八事駅周辺

※地図データ出典:(c)2016 Google, ZENRIN

 

このように住戸の規模によって家賃相場の差異の傾向が逆向きになるというのは面白いかもしれませんが、今回問題としていることにはあまり関係無さそうなので、これ以上触れないことにします。つまり(3)の特徴については、(私の)直感には反するものの、一旦不問にしたいと思います。

 

東山キャンパス周辺の事情
さて、再び最初の地図に戻り、名古屋大学東山キャンパスの周辺について見てみたいと思います。図中の中ほど(国道153号線の記号のある辺り)で、濃いオレンジ色のラインと薄いオレンジ色のラインがやや複雑に交錯しています。これを「名古屋大学駅を通る薄いオレンジ色のライン周りで家賃相場が低く、谷のように西の方まで食い込んでいる」と見る見方があり得ます。そのような見方に従うと、この「谷」の辺りで少なくとも絶対的には家賃相場が低いことになりますが、問題はそれが名古屋大学東山キャンパスに通う学生にとってお得なのか否かという点です。もし仮に「この辺りでかなり(:平均的な家賃に影響するほど)自宅外通学生の借手があるにも関わらず、それを補って余るほど一般的な魅力が低く、その結果として低家賃水準」なのだとすれば、それは全然お得ではないと考えるのが普通でしょう。そして逆の事もまた言えると思います。

 

以上、人口比や家賃相場の地図上での様子を調べてきました。最初に述べました通り、自分の直感的な感想としては、自宅外通学の大学生の影響というのは地域の平均的な家賃を動かすほどではない、と感じました。つまり、学校の近くで安い物件があった時に、どちらかといえば素直に「この学校に通う自分にとってはお得な物件だ」と受け取っていいのではないか、と思いました。もっとも、今回の記事で用いた図(そしてその元になっている資料の選択)がかなり巨視的すぎて、あまり目的に即していなかったような気もするので、そこで自宅外通学生の(実際には働いていた)影響が感じられなかったのかもしれません。

 

かなり荒く、また、残すところが大きい(:結局何か解決したわけではない)お話しでしたが、記事を読んで下さる方が、何か部分的にでも参考にして下されば幸いです。今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。それでは、また。