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学生からみた授業

佐井くんから見た授業-医師になるまで vol.16

こんにちは。医学部5年の佐井です。先日、6年生のマッチングの結果(就職先の内定)が出て、いよいよ次は自分たちの番なのかと緊張しています。今回はおもに「血」と「がん」についての話です。

 

血液内科

血液は他と違ってカタマリになっているわけではありませんが、臓器のひとつとみなされます。赤血球が全身に酸素を運搬し、白血球が外敵から身を守り、血小板と血漿中の凝固因子が出血を防いでいます。つまり、赤血球が足りなくなれば(貧血)、息苦しさを感じ、白血球が減れば、いろんな病気にかかりやすくなり(易感染性)、血小板や凝固因子が少なくなれば、血が止まらなくなる(凝固異常)というわけです。3系統のどれかひとつだけに異常がおこる病気もあれば、全体的に減る病気もあり、採血の結果や顕微鏡で観察できる様子などからどの病気かタイプ分けします。

 

白血病もそのうちのひとつです。若い人の病気というイメージがあるかもしれませんが、実際は全世代にまんべんなく発生し、50歳ごろから患者数が増え始めるので、血液内科病棟には高齢の白血病患者さんが多くみえます。このように白血病の人のなかで若者が占める割合は少ないのです。

しかし白血病は小児がんのうち最も多くを占める病気でもあります。子どもが罹る重い病気のうちでは一番多いので、とりあげられることが多いのでしょうね。小児がん拠点病院である名大病院の小児科病棟には、全国から患者さんが集まっていて、白血病の子どもたちもたくさん入院しています。子どもたちとご家族の闘病生活が印象に残る実習でした。

小児科病棟ハロウィン

小児科病棟のハロウィンの様子

小児科病棟の壁には絵が描いてあったり、遊び場や学校があったりと、活気にあふれています。

 

化学療法部 

がん治療において、外科治療、放射線治療とならぶ三本柱のひとつが化学療法です。かつては入院でしかできなかった治療も、今では外来で受けられるようになっています。これは高齢化や、がん患者さんの余命が長くなったことで患者数が莫大に増え、全員を入院させるだけの余裕がなくなってきたというのも一因ですが、薬の進歩により、治療中のがん患者さんも社会生活を営むことができるようになって、外来治療の需要が高まってきたためです。がんの治療が日帰りで受けられるというのは、意外ですよね。

 

輸血部 

血液製剤だけは薬剤部ではなく、輸血部で管理しています。(輸血部がない病院もありますが。)

輸血は、献血された血をそのまま輸血するわけではなく、赤血球、血小板、血漿と成分ごとに分けた製剤を必要に応じて使用します。

A型の人はA抗原と抗B抗体を持っているのでしたよね。ですから、A型の人にB型の赤血球や血漿を輸血すると血が固まってしまいます。基本的には、同じ血液型どうしで輸血をするのですが、患者さんの血液型がわからないときに、緊急でどうしても輸血しなければならないような状況だと別の血液型の血が使われることがあります。それがO型の赤血球と、AB型の血漿です。O型の赤血球はA抗原もB抗原も持たず、AB型の血漿は抗A抗体も抗B抗体も持たないため、このようなことができるのです。

ただし、年々、献血者数が減ってきており、血液製剤が貴重となっていきているため、輸血の適応に関しては、本当に必要かどうかの見極めがより重要になってきています。

凝固した血液

抗A抗体(左)と抗B抗体(右)と混ざって固まったAB型の赤血球(上段)

どちらの抗体と混ぜても固まらないO型の赤血球(下段)

 

薬剤部 

抗がん剤も含め、薬に関しては薬剤師の協力がかかせませんが、案外、医学部生と、薬学部生や薬剤師とのかかわりはそう多くありませんし、働き始めてからもあまり医師が薬局を訪れることはないようなので、薬剤師の仕事を間近で見られる貴重な機会でした。

 

まとめ

今回書いた3部門は1日ずつの実習ですが、通常は、平日5日間でひとつの診療科を回るものが多いです。どこの科も限られた時間での実習になるので、かなり内容を詰め込んだ実習になりますが、それでもみられるのは一部分です。全容を知るのは働き始めてからですね。今回は血液とがんについて触れました。


バックナンバーはこちら

vol.15 放射線科・検査部・病理部

vol.14 総合診療科・精神科

vol.13 救急科・集中治療部・麻酔科