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学生からみた授業

佐井くんから見た授業-医師になるまで vol.13

こんにちは。医学部5年生の佐井です。時間が経つのは早いもので夏休みが終わり、今週から後期が始まりました。今回から臨床の各科について紹介していきます。4年生で名大の先生方の講義を受け、5年生で附属病院の各科にて実習するのが大半ですが、なかには学外からの講師による講義や、愛知岐阜三重県下の病院に出かけていって行う実習もあります。今回紹介するのは救急科と麻酔科についてです。

 

 

救急科・集中治療部 Emergency and Critical Care Medicine

救急といえば、心肺停止だったり大出血をしたりしている患者さんが救急車で運ばれてきて、医療チームが懸命に蘇生や手当てにあたる、という場面を想像される方が多いかもしれません。実際にもそういうケースは多々ありますが、救急車が来るまでに一般の人もできることがあるということはぜひ知っておいてほしいです。保健体育で習うBLS(一次救命処置)の手順と、身近なAED(自動体外式除細動器)の場所をおさらいしておくとよいでしょう。大事なのは一人でやろうとするのではなく助けを呼ぶことです。もし呼びかけに反応がなく心肺停止と考えられる時には、「心肺蘇生のABC」が役立ちます。

A: Airway     気道確保
B: Breathing   呼吸
C: Circulation  循環

まず第一に、救助する人自身の安全(車が来ないかとか、負傷者からの感染を防げるかなど)が確保できてから蘇生処置を始めましょう。A・B・Cの順に行うことが重要です。気道を確保してから、(必要であれば)呼吸、そして循環の補助を始めるのです。出血などの手当てはその後です。AEDがある場合も、電気ショックを与えるとき以外は蘇生処置を続けます。

とはいえ、人工呼吸に自信がなかったり、感染防御策が用意できなかったりすることがままあるため、一般向けのガイドラインでは、胸骨圧迫(いわゆる心臓マッサージ)だけでよいとされています。したがって、
顎先を持ち上げて頭を後ろにそらせることで気道を確保し、絶え間なく胸骨圧迫を続ける

ことができれば、ひとまず十分です。あとは、救急隊の人に任せましょう。

 

バッグバルブマスク

いろいろなサイズのバッグバルブマスクです。体格にあわせてマスクのサイズを変えます。

一度やってみるとわかるのですが、胸骨圧迫は結構力が必要で、長く続けると疲れます。

交替して行いましょう。

 

 

麻酔科 Anesthesiology

麻酔がなかったとしたら、手術は想像を絶する苦痛ですよね。大昔の手術は激痛を伴うものだったようですが、麻酔の進歩により、手術もより安全に、かつ、より体の深くまで到達できるようになりました。手術における麻酔の役割として、「鎮静」「鎮痛」「筋弛緩」という3つがあげられます。「鎮静」は眠ってもらうこと、「鎮痛」は痛みを感じないもしくは伝わらない状態にすること、そして「筋弛緩」は勝手に身体が動かないようにすることです。この3つの働きをすべて持つという薬はないので、それぞれ鎮静薬、鎮痛薬、筋弛緩薬を患者さんに合わせて、また状況に応じて、麻酔科医は調整しています。また、筋弛緩薬が効いてくると自発呼吸ができなくなるので、呼吸の管理もしています。麻酔は、患者さんにとってもとても大事なものですが、麻酔科医がしっかりコントロールしてくれているおかげで外科医も安心して手術を行うことができるのです。

このように、麻酔といえば外科手術が思い浮かぶと思いますが、麻酔科が担当する分野はそれだけではありません。全身管理の専門家でもある麻酔科はICU(集中治療室)での治療にあたったり、痛みのコントロールのプロとして緩和ケアに携わったりもしています。

 シミュレーター

麻酔のシミュレーションに使われるSIMUくん。

ちゃんと瞬きや呼吸もするし、脈も触れます。

 

術前回診用紙

術前の患者さんの状態を診察するときに調べる項目。

 

まとめ

救急外来には、救急車以外でも、いろんな症状をもった方がたくさん訪れます。その中から、特に急を要するもの、重篤なものを見落とさないことが重要で、幅広い経験が求められます。麻酔科が携わる手術も様々で、あらゆる術式を知っておく必要があります。今回は、全身管理の専門家である救急科と麻酔科を紹介しました。


バックナンバーはこちら

vol.12 EBM・PBL・基本的臨床技能実習

vol.11 公衆衛生学・疫学

vol.10 基礎医学セミナー(研究室配属)