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学生からみた授業

佐井くんから見た授業-医師になるまで vol.10

こんにちは。医学部5年の佐井です。今回は3年後期の半年間をつぎこむ基礎医学セミナーについて紹介します。講義や実習から離れて、研究室でひたすら実験をするという、6年の中で最も自由な時間でもあります。

 

基礎医学セミナー

理系の学部であれば4年生の時に研究室に所属し、1年間講義を受けつつ研究を進めるというのが一般的だそうです。そしてその成果を、卒業論文というかたちで発表するそうですが、医学部の6年生は卒業試験(学士試験)はあっても卒業論文を書くことはありません。医師国家試験に向けて受験勉強をする中、じっくりと研究に取り組むのはなかなか難しいものです。そこで、学生が研究に携わり、まとまった成果を得て発表するという経験ができるよう組まれているのが基礎医学セミナーです。

基礎医学セミナーで選択できるのは、名前の通り基礎医学、もしくは社会医学の研究室となっています。これまでの記事で紹介してきた科目を担当している教室ですね。当然、研究室によってテーマは違っていて、中には、海外での調査に同行したり、外国の学会で発表させてもらえる研究室もあったりします。今回は私が選択した、環境医学研究所神経免疫学での生活について書いていきます。

 

研究室配属

実は、東山キャンパスの中にも医学系研究科の研究室があるんです。豊田講堂の裏にある環境医学研究所には10の研究室があり、神経免疫学はそのうちの1つです。主にアルツハイマー病と多発性硬化症という神経疾患を研究していて、私もその一端を担わせていただきました。加えて、基礎医学の教室では珍しく、3人の先生とも神経内科の診療業務をしつつ研究もするという方々だったので、研修医時代の話が聞けたり、研究者と臨床医を両立する生活を間近で見られたりしたのは思わぬ収穫でもありました。

期間中は、講義室での講義などは一切なく、研究室で1日を過ごします。日によって行き帰りの時間は違いますが、大体6、7時間を研究室で過ごしていました。4コマ連続と考えると長いと思われるかもしれませんが、実際は実験の操作や日常業務で案外時間が早く過ぎるものです。生物系の実験は時間がかかるものが多く、食べ物の消化に時間がかかるように、実験で使う酵素反応が終わるのを待つ時間があります。朝、実験を始めて、反応が終わるのに3、4時間かかることもあり、その間に次の準備や昼食をとったり、掃除なんかをしたりして、次の操作をしているとあっという間に1日が終わるなという感じです。世の中には星の数ほど論文が溢れていますが、それらが地道な積み重ねによってできあがっていることを実感する半年間でした。

3月にはまとめとして、それまでの成果を報告する会があります。パワーポイントもしくはB紙にまとめて、他の分野の先生や学生の前で発表するのですが、同じ分野の専門家が集まる通常の学会と異なり、まったく違う分野の発表が一堂に会する報告会となるので、なかなか珍しい光景です。

ポスター

研究発表のポスター

 

環境医学研究所

研究以外の面でも、半年間の生活の一部となる研究室は、所属するサークルがひとつ増えたようで楽しいものでした。私の年はちょうど教授の定年退職の年にあたり、院生を募集していなかったので人は少なかったですが、そのかわり密な時間を過ごすことができました。先生には上述の通り将来の話が聞けましたし、特に指導して頂いた院生と秘書さんはよくしゃべる方で毎日昼食や休憩時間にはよく話したものです。 

また、環境医学研究所には忘年会をはじめ所内合同のイベントがいくつかあり、研究室どうしの距離が近いのも特徴的です。今でも顔を出すと受け入れてくれるアットホームな場所です。

退官講義 集合写真

教授の最終講義にて

 

まとめ

十分なデータを半年で集めるのは難しいですが、なかには論文にまとめられるだけの成果を出す人もいます。過去には、1年生から通って研究を続け、有名な雑誌に投稿した先輩もいます。講義が一切ない生活というのは新鮮で、研究機関としての大学を体験する半年間でした。


バックナンバーはこちら

vol.9 発生学・腫瘍学・生化学・分子生物学・遺伝学

vol.8 生理学・薬理学

vol.7 免疫学・微生物学