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学生からみた授業

平子さんから見た授業-情報文化学部・集中講義

こんにちは。環境学研究科 心理学講座 平子です。

突然ですが、みなさん、英語落語ってご存知ですか?

今回は、落語家の桂かい枝さんの講義の様子をお伝えしたいと思います。この講義は、情報文化学部「情報と職業2」の集中講義の一つとして行われました。かい枝さんは、落語を英語で披露することで、その魅力を外国人に伝える活動を、なんと20年も続けていらっしゃるとのこと。

 

ちなみに「情報と職業」集中講義では、かい枝さんの他にも、出版社やメーカーなどさまざまな職業の方が、学生に向けて講義をされています。夏休み期間中も、こんな面白い集中講義があるのだということを、受験生の皆さんに知ってもらえればと思い、取材してきました。

 

英語は、ただ話せるということが大事なのではなく、その英語を使って、何を話すか、その内容が大切。名古屋大学の学生も、英語をうまく活用しながら、どんどん世界に飛び立っていってほしい。そんな理由から、実際に海外でもご活躍されている、かい枝さんが講師として招かれたようです。

 

講義では、「NEW HORIZON」や「ONE WORLD」といった教科書にも、かい枝さんの活動が掲載されていることや、年間で60校もの学校に行き、落語を披露されていること、文化庁文化交流使としてアメリカで活動されていた経験などをお話しされていました。

 

落語は、一人で全部しゃべるのが特徴であり、顔の向きを変えることで、登場人物が変わったことをわかりやすく表現するそうです。

幼稚園児の前で披露したときには、落語の劇中で、「こっちにおいで」というセリフを言ったら、園児は自分たちに言われたのだと思い、実際に何人か、壇上に上がってきてしまったなど、ほほえましいエピソードもお話ししてくださいました。

 

他にも、扇子を使って様々なものを表現する、といった落語の特徴について教えて頂きました。

実際に落語を披露して下さったのですが、みたらし団子を、扇子で巧みに表現されており、本当にみたらし団子を食べているような演技に圧倒されました。

 

 

落語の舞台である「高座」が大きいほうが、落語は立派に見えるそうなのですが、海外で落語を披露する際には、高座が小さかったり、グランドピアノの上に高座が用意されていたり、一本足のテーブルの上に高座があったりと、驚くこともたくさんあったそうです。日本での常識は、海外では通用しないことも多いとおっしゃっていました。

 

一本足のテーブルの上に高座が!↓

一本足のテーブルの上の高座

 

 

他にも、本場ブロードウェイや、エジンバラフェスティバルで落語を披露された経験をお話しされていました。ちょうど私自身、今年の8月に語学留学でスコットランドに行き、エジンバラのフェスティバルを見てきたので、あそこでかい枝さんが落語を披露されていたのだなと、個人的に胸が熱くなりました。

 

エジンバラフェスティバルでの落語披露の様子↓

エジンバラフェスティバルでの落語披露の様子

 

 

さて、そもそも、かい枝さんが、英語で落語をする理由。気になった方も多いのではないでしょうか。

外国人が持つ日本人へのイメージを、変えたいとの思いがあったようです。「日本人を月曜日に笑わせるには、金曜日にジョークを言え」という言葉があるように、日本人はジョークの意味を理解するのが遅いという認識が、外国人にはあるようです。発信力のなさや、英語力も関わってきているのではないかとおっしゃっていました。落語を通して、日本人のイメージを変えたい、世界の人たちを笑わせたいとの思いから、英語落語を始めたとおっしゃっていました。

また、落語が今もエンターテイメントとして残っている理由として、落語には、著作権が存在せず、共有財産であることが大きいとお話しされていました。

 

 

さらに、動物園のトラをテーマにした、英語落語を楽しませていただきました。

英語落語の様子

 

 

その後、「笑いと文化」というテーマで、江戸落語と大阪(上方)落語の違いを説明して頂きました。江戸では、落語はお座敷芸として発達し、人情噺を披露していたのに対し、上方では、大道芸として発達し、滑稽噺を披露していたとのこと。落語が発展した江戸時代、東京は武士の町でしたが、大阪は商人の町であり、言葉の駆け引きの間には笑いが不可欠だったようです。落語=笑い話というのは、大阪から始まったということですね。

「笑いと文化」講義の様子

 

 

では、日本人はいつから笑っていたのでしょうか。古くから日本人は、笑いの文化を大切にしていたようです。あの有名な「古事記」にもダジャレ・ギャグが載っているとのこと。そんなに古くから笑いが存在するとは、驚きました。

 

笑いのルーツに関するお話の後は、学生がグループに分かれて落語を作り、発表しました。グループの個性が光る落語が披露される度、笑いが巻き起こっていました。

 

外国人とのやりとりにはジョークが大事。もっと笑いに興味を持ってもらいたい。かい枝さんは最後にこうおっしゃっていました。

改めて、外国の方との関わり方、そして落語・笑いの持つ力について、考えさせられた講義でした。