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学生からみた授業

小川くんから見た授業-オープンキャンパスでの話し(農学部)

受験生の皆さん、こんにちは。小川高広です。暑い日が続いていましたが、最近はだいぶ朝夕は涼しくなりました。皆さん、お元気でしょうか

 

今日は8月上旬に名古屋大学東山キャンパスで開催されたオープンキャンパスについて書きます。

オープンキャンパスでは、農学部への受験を考えているという高校生の皆さんと話す機会がありました。毎年のことですが、名古屋大学のオープンキャンパスは数日間に分けて、様々な学部でイベントが開催されていました。多くの方々が来るので、夏休み期間中にもかかわらず大学はとてもにぎわっていました。私が所属する農学部のイベントには毎年1,000人ほどの方が来られるそうです。他の学部と同様、農学部では学部の紹介はもちろんのこと、研究室の見学などが開催されていました。オープンキャンパスに来られた方々は名古屋大学のことをさらに深く知ることができたのではないでしょうか。また、保護者の方々の参加も多く見られました(農学部では控え室も用意されていました)。先生方による相談会もあり、様々な相談が寄せられているようでした。多かった相談は、1.「植物について学びたいと思っていますが、農学部と理学部、どちらに行った方がいいですか」、2.「大学院への進学も考えていますが、学部から進学する人はいますか」、3.「男子が多そうですが、女子もいますか」、などです。先生のお答えは1.「農学部でも理学部でも植物を扱っている研究室があるので、将来学びたいことによって決めた方がいいです。だから、理学部の先生にも相談し、話を聞いてみて下さい。学部間の違いは簡単に言うと、農学はどちらかというと実学、実用に重きをおく学問が中心で、理学はどちらかというと論理を中心とした学問をやっています。別の言い方をすると、理学は自然科学系の基礎的な研究を行う学問であるのに対し、農学はそれらの研究成果をさらに発展させる応用的な研究を扱う学問です。もちろん農学も論理を大事にしているし、理学も実学とは無縁ではないので、単純に割り切れません。それぞれの特徴について、大学からの情報を参考に、どちらが自分に最も適しているのか、自分の考えを深められたらいいのではないでしょうか」、2.「農学部から大学院には、おおよそ7割から8割の学生が進みます。もちろん年にもよりますが、だいたい同じくらいです」、3.「理系の中では女子学生の割合が高いのが農学部の特徴かもしれません。農学部の男女比はだいたい5対5です。専攻によっては、男子が多い、または女子の方が多いところもあります」とのことでした。

 

私は農学部でお世話になっていて、日ごろから思いますが、農学部の先生はみんな親切で、一生懸命学生のことを考えてくれる先生が多い気がします。学生同士も仲がいいです。学部自体が家族のような雰囲気があるような感じでしょうか。たまたまなのか、それとも農学だから?その理由は明確にわかりませんが、やはり農学が農業生産にかかわる分野だからじゃないかと思っています。というのは、農業は一人ではできません。ちょうど今の時期は稲刈りの季節ですが、広い田んぼの稲を刈りとることは一人ではできません。もちろん小さな水田ならできるかもしれませんが、そのような水田はそれほどありませんし、今は稲刈りを機械でやるので、昔に比べれば作業は容易です。しかし、広い水田ならば、今も大変です。そして、刈りとった後、それを運搬しなければなりません。重労働です。トラックがあっても載せる作業が大変です。それに加え、水田を管理するには、水路も忘れてはなりません。水路にたまった泥を掃除するなどの作業も必要です。これらは一人ではできない仕事で、やることがたくさんあります。だから、大勢で協力しないといけません。春に稲を植える際も同じです。植える時期は限られているので、タイミングを逃すと生育にも影響します。そのため、やはり大勢で協力して植える必要がありますし、植える前には水を水田に入れたり、耕したり、いろいろな作業をしないといけません。みんなといろいろ協力しないとできないのです。そのために、農業が盛んな農村部は住民同士や地域のつながりが都市部よりも強いとよく言われています。農学部はそのような意味から、人と人とのかかわりを大事にし、みんなが協力し合うような感じがあるかなと思います。だから、先生は学生のことを気にかけてくれるのではないでしょうか。

 

次は私が受験生の皆さんから尋ねられた講義の内容について、お伝えします。「農学部の講義は実験ばかりやっているイメージがありますが、その通りですか」という質問がありました。私の印象ですが、専攻や分野によっては、その通りかもしれません。特に3年生や4年生は実験をたくさんやっている様子で、忙しいように思います。なぜなら、卒業研究を完成させるために必要な実験データを得る必要があるからです。しかし、農学部には実験がほとんどない、あるいは全くない専攻・分野もあります。もちろん、実験がなくとも、入学後は農学部の学生として最低限知っておくべき実験の基礎を学ぶための講義があります(もしかすると、受験生の方の中には、実験のことがあまりわからないという方もいるかもしれません。だけどわからなくても大丈夫です。実験実習の講義でしっかり学ぶことができます)。また、実験ではありませんが、植物を実際に育てるなどの実習もあります。さらに農業に関係する施設を訪問する社会見学の講義もあります。これは意外に思うかもしれません。

その理由は、農学の学問分野の広さが関係しています。そういわれても、わからないかもしれません。ちょっと考えてみてください。皆さんは農業といえば、ただ単に作物や家畜を育てていると考えるかもしれませんが、それだけではなく、生産された農作物を流通させる必要があります。その過程を知ることで、農作物が消費者にどのようにして届けられているのか理解を深めることができます。新鮮な農作物を消費者に届ける流通は農作物にとって重要です。スーパーに行っても、どうやってスーパーまで農作物が来ているのか、実際に目にすることはありません。そのために、見学する機会があり、生産現場以外のその周りのことも学べるように考え、カリキュラムが作られています。

 私が訪問した5か所をちょっと紹介します。まず、長久手市にある愛知県農業試験場です。ここは愛知の農業振興のため、明治26年に設立されました。県の研究目標に基づき、作物や園芸、畜産など各部において研究を行っています。大学の研究と比べ、ここでは農業家がすぐ使用できる技術を研究しています。名古屋大学農学部の卒業生もたくさん働いているそうです。

次は道の駅です。ここは地域の農作物を販売する場所として作られました。流通に時間がかからないため、新鮮な農作物が多く、それを目当てにたくさんの来客があります。

その次は、精米工場です。365日、早朝から深夜まで稼働し、収穫された籾は15の工程を経て精米となるそうです。先進的な工場で、特徴は徹底した品質管理と衛生管理です。

次に、観光牧場です。もともとは観光がメインではなかったそうですが、経営が厳しく、観光の要素を取り入れた牧場にしたそうです。

最後は農業生産法人です。昭和49年に設立された法人で、先進的な取り組みが評価され、愛知県知事賞、農林大臣賞や天皇杯を受賞している愛知県を代表する農業生産企業です。農業家の方が集まって作った会社だそうです。

駆け足で紹介しましたが、皆さんも農学部に入って、実際に見学に行ってはどうでしょうか。見学のいいところは、現場の方々の話を聞くことが出来ることです。教科書にも載っていない、現場の方々の生の声が聞けることは貴重な機会です。農学をさらに深く学べることにつながります。

 

農学部で学べることは本当にいろいろあります。農学と一言で言っても、非常に広い分野なので、当然農学部の研究分野も様々です。先ほど述べた農作物の流通について以外に、森林の分野もあります。また、名古屋大学にはありませんが、農業の機械や農業に必要な農業用水の管理や、用水路の建設など土木についても研究領域として存在します。これらは農業工学や農業土木学などと呼ばれ、一部の大学で研究が進められています。名古屋大学ではイネやニワトリなどの研究が特に有名です。国内だけではなく、世界的なレベルで研究成果を残しています。

 

今日は、夏休み中のオープンキャンパスでの話から、講義の内容にも触れました。まだまだ受験生の皆さんに伝えたいことがたくさんあります。それだけ名古屋大学農学部にはいっぱい魅力があります。もちろん、魅力的な学部は農学部だけではなく、それぞれの学部に魅力があります。どの道が自分に最も適しているのか、しっかり考え、前に進んで下さい。

受験生の皆さんは、これから勉強で、今まで以上に忙しくなるかもしれません。けれど、そんな時でも魅力いっぱいの名古屋大学について、このCheers!や名古屋大学の公式サイトから発信される情報に触れ、名古屋大学のことを、もっとたくさん知ってもらえると嬉しいです。(写真の説明 研究室訪問の様子、農業試験場、道の駅の外観や店内、精米工場、牧場、農業法人農場の様子)