受験生のための名古屋大学発見サイト

名古屋大学ロゴ

アクセスキャンパスマップNU-Cheersスタッフ募集

Voice

学生からみた授業

廣瀬くんから見た授業-大学の数学について

みなさんこんにちは!理学部数理学科2年の廣瀬です。久しく記事を書いていないな、と思い、最後に書いたのはいつだったか確認してみると半年も前まで遡ることにびっくりしました。時間の流れは速いですね。読者の皆さん、特に受験生の皆さんも時の経つスピードは実感していると思います。どこかで聞いたことのある、時間の流れにまつわる話で2つ印象に残っているものをお話ししたいので本題に入る前に少し読んでみてください。

まずこれはみなさんもこれまでの経験から直感的にわかると思いますが、「楽しい時間は速く過ぎ、つまらない時間は長く感じる」ことは、科学的に実験と考察を伴って証明されているそうです。理由としてはいくつか仮説がたてられており、主流は以下の2つだそうです。まず、私たちの時間の経過は心拍数が関係している、というものです。つまり、わくわくして胸が高鳴っているときは心臓も速く脈打ち、時間を速く感じ、退屈なとき、つまり心も体も落ち着いているときは脈もゆっくりしており、時間を長く感じる、という論理です。それならば大勢の前でのプレゼンの前など、緊張しているときも速く時間が流れそうですが、私の実感では速く流れているとは思えません。

そこで私は次の仮説を支持したいのですが、それは「時間の経過に注意が向いているかによって時間の流れの主観的なスピードが高まる」というものです。楽しいときは時計なんて気にせず遊びますが、難しすぎて理解の追い付かない講義中は何度も時計をみて針の進まなさに少しがっかりする、というのは私の実感にとても伴っています。さらにこれらの実験や考察から派生して得られる結論の1つが私の印象に残っているもう1つの話なのですが、「人間の体感時間では0から20歳までと20から80歳でおおよそ等しい」らしいです。若いうちは自分の周りの世界がどんどん広がり、時計なんて顧みれないほど熱中することが多いから時間もあっという間に経つのかもしれませんね。私も受験勉強や部活など、何度も「もうこんな時間だ!」を経験してきました。時間を忘れるほど充実した生活を送っている皆さんも、ちょっと一息ついて「時間」について考えてみてはいかがでしょうか。

勉強を頑張っている皆さんは受験までの残り日数を考えるととにかく時間が欲しいのではないでしょうか。教科の中でも短期集中で追い込みをかけられるもの(もちろん、早め早めに対策を始められるのが理想的ですが)と、じっくり時間をかけないと力のつかないものに分かれますよね。後者の中でも数学は最たる例だと思います。単元ごとの理解にも時間がかかりますし、試験問題は多くが複数分野にまたがった出題のされ方なので知識や考え方を組み合わせられるようになるのにも多大な時間を要します。なので今回は受験までまだ余裕のある人たちに向けて、数学が苦手な人も得意な人も早めに対策を始められるような動機づけとして、大学以降、数学はどのような広がりをしていくか、まだまだ大学の数学を学び始めの身分の私なりにみなさんにお伝えできればと思います。もちろん受験まで時間のなく、今まさに数学を一生懸命勉強している、という人も大学での数学に興味を持ち、今以上に数学の勉強にモチベーションを高められるような記事になっていると思います。

 

大学での数学の基礎

大学の数学は「微分積分学」「線形代数学」という分野を中心に展開していきます。さらには数学以外の学問(理学・工学・農学・経済学など)でもこれらの知識が求められることが多いです。読んでくださっている人の中には大学で数学を深く学んでみたい人もそうでない人もいると思いますが、多くの学問に幅広く応用が利く、大学で学ぶからには習得したい考え方です。名大では多くの学部の1年生の必修科目にこの2つが入っています。「微分積分学」は、高校生の皆さんには耳なじみがあると思いますが、苦手意識のある人も多いと思います。私も大学入試で微積分は苦手だったので、やはり入学後の微分積分の講義で苦労しました。しかし1年前期では高校で習ったところから復習してもらい、なんとか数理学科に進級するまでには苦手意識は払拭されたと思います。とはいえ、微積分は入試数学でも非常に出題されやすい分野の1つなので今のうちに高校範囲はマスターしておきたいですよね。大学以降、色々と応用ができる分野だと知っておくと学習への意欲も高まるのではないでしょうか。ちなみに高校と大学で習うことの大きな違いは、変数が1つか2つか、そして極限をより厳密に表すことです。前者はちょっと説明が長くなってしまうので興味のある方は「偏微分」「全微分」「重積分」などで検索してもらえると、この考え方により微分・積分が一気に広がるのが分かるサイトに出会えると思います。後者について、高校の教科書では例えば、f(x)→b(x→a)という極限の表す意味は「xがaに限りなく近づくとき、f(x)はbに限りなく近づく」と載っていると思いますが、大学以降、「限りなく近づく」という曖昧さの残した表現をやめて、「ε-δ論法」という考え方をとっていきます。先に挙げた例をε-δ論法で表すと「任意の正の実数εに対し、0<|x-a|<δ⇒|f(x)-b|<εを満たす正の実数δが存在する」となります。一見煩雑で分かりづらい表し方ですが、曖昧さを無くすことで高校の教科書では証明できなかった定理が証明できるようになります(挟み撃ちの原理など。詳しくは「挟み撃ちの原理 証明」などで検索してみてください)。

「線形代数学」とは、線形空間という、大雑把にいうと元同士の加法や元の実数倍が計算できてさらには結合法則や交換法則が成り立つ集合(例えば平面ベクトル全体の集合は、平面ベクトル同士を足したり実数倍できるので、線形空間です。実数全体の集合も線形空間です)の中で成り立つ性質を調べる学問です。私の稚拙な説明ではよくわからない方も多いと思うのでこれも気になる方は「線形代数 ベクトル」などで検索してみてください。線形代数学では高校までで扱わなかった概念や考え方が多く出てくるので最初は大変ですが自分で手を動かして定理の証明をしていくと何となくはつかめるようになっていきます。

 

そして応用へ

数学を専攻したい、という人は「微分積分学」「線形代数学」をさらに極めてもよし、そこから発展される「集合論」「複素関数論」「確率論」といった高校でも習った分野をさらに広く・厳密に極めてもよし、あるいは数学とほかの学問(物理学・経済学など)を関連付けて研究している人もいます。名大理学部数理学科では2年次から「微分積分学」「線形代数学」の講義と並行して「集合論」「位相論」「複素関数論」の講義が始まります。私は将来保険のプランを策定する仕事に就きたいと思っており、そのためには確率論の知識が必須です(例えば生命保険の場合、x歳の人がy年後に亡くなる確率をこれまでの統計から求めて保険料を設定します)。目標のために、そして数学という学問の面白さもあり勉強に励んでいます。

 

以上、大学での数学の学びを簡単ではありますが記事にしてみました。皆さんの学習意欲は高まったでしょうか?数学以外にも自分の学びたい学問や、得意教科、好きな科目の大学入試以降の学問としての広がりを、気分転換に調べてみると学習意欲が高まると思います。ちなみに調べ方として、志望大学のシラバスがネット上に公開されているかどうか調べてみて(名大は「名大 シラバス」と検索すると上のほうにサイトが表示されると思います)、シラバスに書かれてある講義予定表や「講義のねらい」からイメージしたり、使用教科書を図書館などで読んでみたりすると大学での学びがなんとなくイメージできるのではないでしょうか。

それでは今回の記事はこの辺で締めたいと思います。最後に、寒くなりますが、自分の体を1番に考えつつも、あっという間に過ぎたと感じるくらい充実した時間を送ってください。