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2017/10/30

「野依博士と夜まで生サロン」について

受験生の皆さん、こんにちは。小川高広です。今日は先日開催された「野依博士と夜まで生サロン」というイベントについて、皆さんにお伝えします。

まず、野依博士について紹介します。受験生の皆さんはすでにご存知かもしれませんが、野依博士とは野依良治先生のことです。2001年(平成13年)にノーベル化学賞を受賞した先生です。受賞が決まった当時は日本中が沸きました。野依先生は名古屋大学大学院理学研究科や理学部の教授を経て、我が国を代表する研究機関である理化学研究所の理事長やその他、我が国の自然科学に関係する様々な要職を歴任し、ノーベル賞受賞後も名古屋大学で活躍されています。現在は名古屋大学高等研究院名誉院長であり、名古屋大学特別教授を務めておられます。

 

今回参加したこのイベントは2013年から開催されています。イベントが始まったきっかけは、野依先生の若い研究者や学生たちへの想いが関係しているそうです。それは、野依先生がノーベル賞の受賞を機に、今までに見聞きしてきた様々な経験や、長年培ってきた研究者生活から考えたことなどについて、若い研究者や学生の皆さんにお伝えし、何かしら役立ててもらいたい、そのような想いから始まったそうです。以来、20回以上にわたり開催されてきました。今年度からは以前の名称である「RYOJI NOYORI ACADEMY SALON 野依良治博士と語ろう!」から「野依博士と夜まで生サロン」に変わりましたが、その趣旨は変わっていません。私は以前このイベントに参加し、今回で二回目でした。ノーベル賞を受賞された野依先生と直接お話しができる、非常に貴重なイベントで、今回再び参加することができて、非常に嬉しく思いました。

 このイベントは野依先生からお話を聞くことに加え、参加者同士も議論するスタイルで行われています。毎回活発な議論が行われているそうで、今回の参加者の皆さんも同様に議論を行い、非常に雰囲気のいいイベントだと思いました。今回は日本人学生や留学生、その他に若手研究者の方々など10名程の参加がありました。

 

今回は「失敗」について野依先生を交え、参加者で話し合いました。野依先生は過去の研究上の失敗経験をお話しくださり、学生に「失敗を恐れず、小さなことはくよくよしないで進むことが大事。もし、失敗すればまたやり直せばいい。人生は80年もあるので」と語って下さいました。そのお話しは奥が深く、様々な困難に打ち勝ってきた先生の経験談に聞き入ってしまいました。また、先生が生まれ育った時代の話しもお伺いしました。戦争の後、何もない時代、貧しかった状況で先生は育ってきました。今の日本は何でもあり、便利な社会になっています。豊かな社会である一方で、ハングリーさやチャレンジする精神が失われているように野依先生は感じているそうです。その点、開発途上国にはそういった精神がまだまだ生きているようで、大きなチャンスがあるように日々感じられているそうです。野依先生は「途上国には戦後の日本の厳しい時代と通じる部分がある。その厳しさが、自分を成長させてくれる」と、途上国出身の留学生の皆さんに、声をかけておられました。少し余談ですが、野依先生は名古屋大学の前身である名古屋帝国大学が設立された1939年の前の年、1938年に兵庫県で生まれました。私も兵庫県出身なので非常に親近感を感じました。

 

ところで、受験生の皆さんは名古屋大学のイメージについて、どのように考えていますか?研究が盛んな大学?キャンパスが緑いっぱいできれい?いろいろなイメージを持っていると思います。そのイメージの多くはその通りかと思います。それに加え、名古屋大学が大事にしていること、それは先生も学生も自由に活発に議論し、研究を進めていける雰囲気がある「自由闊達」な学風です。辞書で見てみると、「のびのび」とした様子とあります。今回の野依先生のお話しの中でも、「自由闊達」な学風の重要さが出てきました。先生はその学風が失われてはいけないと考えておられました。しかし、最近は時代の変化とともに、日本全国のどこの大学でも学生は先生を「先生」だと思い、先生も学生を「学生」だと思い込んでしまっています。研究を指導する側、指導される側となり、監督する先生と監督される学生という構図が生まれてしまっていると先生は指摘されました。これでは先生の顔色をうかがう学生になってしまい、先生も学生と共に自由な議論ができず、いい研究もできないと先生は感じているそうです。野依先生が学生の頃は先生と学生の関係は今とは違っていて、それぞれの立場を尊重しつつも、研究については突っ込んだ議論を行い、お互いにいい研究ができるよう、協力しながら前に進んできたそうです。先生も学生も、監督する、される立場という形になってしまっている風潮がある今の大学は、みんな元気がなくなってきているのではないか、もう少し、みんな元気を出して欲しいと考えておられるようでした。また野依先生は自由な発想も重要だとおっしゃっていました。日本には石油などの鉱物・天然資源などはあまりありません。それならば何があるのか。一人ひとりが自由な発想によって、他の国に負けないような新しい技術などを生み出し、人々の生活を豊かに、発展させる原動力になることが大切です。一人ひとりの才能が資源になるしかないと先生はおっしゃいます。先生は戦前に生まれ、戦後の復興期や高度成長期を経験されてきました。その過程で、自由な発想が日本人にとって大きな力になってきたことを肌で感じ、そのように考えられたかもしれません。

野依先生の話をお伺いし、やはりいい研究のためには、自由で闊達な議論が必要で、名古屋大学の大事にしてきた伝統の一つである「自由闊達」な学風は、非常に重要な視点だと感じました。日本の大学の中で、ノーベル賞を受賞する研究者の多くを名古屋大学は輩出してきました。名古屋大学が大事にしているこの学風が世界に認められるいい研究につながっています。今後もこの自由闊達な学風を大切にし、守っていきたいものです。受験生の皆さんも、名古屋大学に入学した際は、ぜひ、この学風を後輩たちに伝えていって欲しいと思います。

 

今回の先生のお話しは生き方や研究に対する姿勢などについて、どうすればよりいい人生を歩めるのかを考えるいい機会となりました。受験生の皆さんは今勉強で忙しいかもしれませんが、野依先生のようにノーベル賞を受賞した先生方や、あるいは歴史上の偉人の話しなど、学校や地域の図書館などにある書籍などを通じ、その生き方や考え方に触れてみると、よりよい人生になるヒントを得られるかもしれません。それは、受験には直接関係はないかもしれませんが、大学入学後、どのような道を歩むのか、考えるヒントにもなると思います。

最後に、名古屋大学では、野依先生とお話しができる今回のようなイベントが定期的に開催されています。今回のイベントは名古屋大学だけでなく他大学の学生も参加可能となっています。専攻も理系や文系も関係なく参加できます(もちろん、状況によっては今後変更されるかもしれませんが)。また、この他にも青色LEDに関係する研究でノーベル賞を受賞した天野先生による市民向け講演会なども名古屋大学で時々開催されています。名古屋大学では一年中様々なイベントを開催し、ノーベル賞受賞者の話しを直接聞ける、あるいは直接話したりする機会が他の大学よりも多くあります。もし皆さんが名古屋大学に入学した時は、学内の様々なイベントに参加し、自身の見聞を広げていって下さいね。

 (写真の説明 今回は名古屋大学野依記念物質科学研究館で開催されました。大変きれいな建物でした。野依先生や主催の方々の協力のもと、その様子を撮らせていただきました。ご協力ありがとうございました。)

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