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河合 優介

工学部化学・生物工学科分子化学工学コース4年生(2017.4現在)
出身地: 愛知県

2016/05/29

名大研究室の扉in河合塾⑬理学部

こんにちは!工学部3年の河合優介です!

今回は「名大研究室の扉in河合塾⑬理学部」の取材に伺いました!

 

「名大研究室の扉in河合塾」とは、名大の先生と院生が河合塾に出向いて研究テーマや学生生活について講義を開き、受験生に名大について知ってもらうことでモチベーションを高めてもらうイベントです。今回は理学部の先生と大学院生が招かれ、それぞれの研究内容や研究生活などについて講義されました。会場はほぼ満席で、受験生やその保護者などが貴重な大学関係者の生の声に熱心に耳を傾けていました。

 

初めに、地球惑星物理学が専門の、名古屋大学大学院環境学研究所の渡邊誠一郎教授による、「惑星の誕生に迫るー小惑星探査機はやぶさ2の挑戦ー」の講義がありました。名大の理学部の紹介から、先生の研究内容についての説明、さらには現在進行中の「はやぶさ2」のミッションなど、名大理学部志望者や宇宙好きにはとても興味深い内容となっていました。

 

 

1.理学部地球惑星科学科と研究室の紹介

名古屋大学理学部では、1年次に数学や理科などの基礎科目、人文社会系科目や外国語などの教養を幅広く習得した後、2年次に数理学科、物理学科、化学科、生命理学科、地球惑星科学科の5つの学科に分かれて、専門分野についてさらに深く学習し、研究を行います。地球惑星科学とは数学、物理学、化学、生物学など幅広い知識を駆使して地球と惑星の動態と歴史を研究する学問で、同科に配属された学生はフィールド調査、観測、室内実験、シミュレーションなど様々な手法を用いて研究を行います。

 

理学部地球惑星物理学講座では、研究において先生と学生が議論を重ねる事を重要視しています。このため研究室は、先生と学生の敷居を低くする目的でガラスを効果的に用いた解放的な構造となっています。さらに研究室には自由に使えるサロンスペースがあり、飲み物や卓球台なども用意することでさらに先生や学生の交流を促し活発な議論ができるよう工夫されています。

 

2. 太陽系の形成を探る

次に、地球惑星科学の大きなテーマの一つである、太陽系形成過程を探るカギ、小惑星について紹介します。

 

寿命を迎えた恒星の超新星爆発などで生じた星の破片やガスは、しばらく経つと集まって小さな塊である微惑星へと成長します。その微惑星がさらに合体すると惑星となりますが、微惑星同士が衝突して合体する際大量の熱を発生するので、惑星は一度ドロドロに溶かされてしまいます。そのため、惑星にはその原料である微惑星の情報は残りません。そこで惑星の誕生過程の謎を解明するには、引力などの影響で再びバラバラになった微惑星の欠片である小惑星、もしくはその親戚である彗星の成分や表面の様子を調査する必要があるのです。

 

次に、太陽系に存在する小惑星について説明していきます。太陽系では、小惑星は、火星と木星の軌道の間に多く存在し、現在70万個ほどが確認されており、その大きさは直径数百メートルから千キロメートル近くのものまで様々です。小惑星には明るい「S型」と暗い「C型」型の二種類が存在し、S型はほとんどが岩石で恒星されているのに対し、C型は成分の一部に有機物や水が含まれていて、現在地球上に存在する有機物や水はC型小惑星由来であるという説が有力な説の一つとなっています。

 

惑星誕生の謎のカギを握る小惑星や彗星を調査するために、これまで多くの探査機が打ち上げられました。その代表として数年前、幾重もの試練を乗り越え無事帰還し、小惑星「イトカワ」からのサンプルを届け話題になった「はやぶさ」や、「チュリモフ・ゲラシメンコ彗星」という彗星の表面に窒素が存在することを突き止めた「ロゼッタ」などがあります。このような探査機の活躍によって少しずつ、惑星の誕生や有機物や水などの生命体に欠かせない物質が地球に運ばれた過程などが明らかになってきています。

 

3. はやぶさ2の挑戦

前章では、小惑星、彗星の探査が地球などの惑星の誕生の過程を解明する手がかりになること、それらへ探査機が多数打ち上げられたことを説明しました。ここでは、講演のメインテーマである「はやぶさ2」について紹介します。

 

前章でも登場した「はやぶさ」が持ち帰った微粒子の表面を詳しく調査すると、今までの常識を超える発見がありました。というのも、これまで小惑星の調査は地球に振ってくる隕石を回収して調査する方法で行われていましたが、隕石は大気圏突入時に高温にさらされ表面が溶けたり有機物や水などが蒸発したりしてしまうため、どうしても得られる情報に限りがありました。そのため惑星誕生の解明するには、「はやぶさ」のがもたらした「イトカワ」の微粒子のように、カプセルに入れることで熱などの外部の影響を受けずに地球に運ばれた試料を調べる必要があるのです。そこで現在、名古屋大学をはじめとした大学とJAXAが共同で「はやぶさ2」による小惑星の探査を行っています。

 

「はやぶさ」の後継機である「はやぶさ2」は、現在「リュウグウ」と呼ばれる小惑星へと向かう最中で、スケジュールが予定通り進めば2018年初夏に小惑星に到着し、1年半調査・試料採取を行う予定です。その後2019年12月に小惑星を発ち、2020年の11月ごろ地球へと帰還するというスケジュールになっています。「はやぶさ2」のミッションの舞台である小惑星「リュウグウ」は、「はやぶさ」が調査した小惑星「イトカワ」(S型)とは異なるC型小惑星で、水を含む鉱物や有機物を含有すると予想されています。そのため、今回のミッションは調査の進んでいないC型小惑星の物理的・化学的性質が解明され、惑星誕生の謎や地球に水・有機物が持ち込まれた経緯の解明にさらなる進歩に繋がると期待されています。

 

「はやぶさ2」が「リュウグウ」で行うミッションは大きく分けて二つあります。一つ目は、「リュウグウ」表面の鉱物変成の調査です。「リュウグウ」表面には水の存在が予想されていますが、水には鉱物に触れると鉱物の化学変化を助長する作用があります。ミッションでは搭載されている赤外線カメラを用いて、「リュウグウ」のどの地点でどのような変成があるか、またどの地点にどれ位含水鉱物が含まれているかを調べることになっています。二つ目は、「はやぶさ」と同じように小惑星のサンプルを採取し、地球へと持ち帰ることです。「はやぶさ2」では爆薬を用いて「リュウグウ」上に人口のクレーターを作ることで、惑星が形成された当時に近いサンプルを採取することも計画されています。興味を持った人は「はやぶさ2」のミッションについてCGで分かりやすく説明されたサイトがあるので、そちらも参照してみてください。

「はやぶさ2 動画特集」

https://www.youtube.com/playlist?list=PLCQJJ3lTBuyCtMDbvkQcg4fb7yAHheqyN

 

4. 地球史最大事件と大学と皆さん

ここまでの地球惑星科学と「はやぶさ2」などの惑星探査機についての紹介では、物理学、化学などの学問が登場しました。この他にも、地球惑星科学では生物学や人類史学など実に様々な分野の学問が登場します。さらに、今回紹介した地球惑星科学に限らず、大学の学問は理系文系の枠を超えて様々な分野と密接な関係を持っています。そして、物理学、化学、数学などの自然科学や言語学、社会学などの人文科学などの基礎学問が完成されつつあるので、それらを再統合し、新たな知の体系を形成することが現代の大学に求められています。

 

「地球の一部である人間が地球について考えだしたことは地球史で最大の事件だ」と先生がおっしゃるように、自然の摂理を解き明かし、後世へと伝承することは人類のみに与えられた特権と言えるでしょう。受験生の皆さんも是非学びたい学問を見つけ、「地球史最大の事件の演者へ仲間入り」することを期待しています!

 

 

次に名大理学部系大学院生の、理学部を目指したきっかけや研究内容、研究生活などについての講演がありました。その中から二つを紹介したいと思います!

 

研究で大切な事

「研究で大切なのは、分からないこと、知らないことに対して自分で調べる好奇心を持つこと、一つの問題を最後まで考え抜くこと」というお話がありました。これらのことは、受験勉強においても重要な事だと思います。言い換えると、受験勉強を頑張ることで研究に向けた基礎体力を養うこともできると思うので、受験生の皆さんは受験を通じて研究に耐え抜く基礎体力を養ってください!

 

大学でするといいこと

大学では、講義の受講、研究といった学術的な経験はもちろん、部活、サークルなど好きな事に思い切り打ち込む体験、アルバイトなど、社会に出る前に労働力を提供し賃金を得るとはどのような事かを学ぶ体験、交友関係や上下関係といった対人関係など、実に様々な体験ができます。その中で、自分が何に興味を持ち、何がしたいのかを考えること、それを基準に自分の進む道を決めることが出来るような充実した大学生活が送れるよう努力してください!

 

 

今回のイベントは、名大、特に理学部を目指す受験生にとっては先生や学生の生の声を聴ける良い機会であったと思います。このシリーズの講義は様々な学部によって月に一回ほど開催されているので、気になった人はぜひ参加してみてください!

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