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河合 優介

工学部化学・生物工学科分子化学工学コース4年生(2017.4現在)
出身地: 愛知県

2016/06/10

減災館第15回特別企画展「平成28年熊本地震」・北野哲司先生ギャラリートーク

こんにちは!工学部3年の河合優介です!今回は名古屋大学にある減災館の、「減災館第15回特別企画展『平成28年熊本地震』」の企画とギャラリートークを取材してきました!

 

ギャラリートーク「埋設管の被害から過去の地震を振り返る」

はじめに、名古屋大学 減災連携研究センター ライフライン地盤防災寄附研究部門 寄附研究部門教授である、北野哲司先生のギャラリートークを聴講しました!

ギャラリートークには、平日の昼にも関わらず15人ほどが訪れており、ここ数年災害が頻発するなか防災に対する意識が高まっていることを感じました。

 

日本周辺のプレート境界

日本周辺には4つのプレートの境界があり、それが地震の発生源であることは一度は耳にしたことがあるでしょう。日本周辺の海洋にあるプレートの境界は、プレート同士が互いに押し合うことで地球内部へと沈み込むタイプの境界で、そこでは周辺よりも水深が深くなっています。左右でフィルムの色が違うメガネを着用すると立体的に見えるように加工された日本周辺の地図を見ると、改めてたくさんのプレート境界があることがよく分かりました。

 

 

ライフラインと地震

巨大地震が発生すると、電気、ガス、水道、鉄道、通信などのライフラインが大きな被害を受けます。ライフラインは、発電所や浄水場などの拠点施設から電線や水道管などのネットワークにより構築されているため、そのネットワークの1か所でも破損するとシステム全体が麻痺してしまう特徴があります。

しかし、ライフラインは非常に長い距離を一本の線で繋げているという構造上、地震によってダメージを受けやすいものとなっています。例えば、東日本大震災や宮城県沖地震では、地盤の盛土層(元々あった地面の上に新しく土を被せたもの)の厚さが一気に厚くなる境界部分で水道管が割れてしまいました。

 

(※クリックで大きな画像を表示します。地盤の固さが違うと右上のグラフのように地面の揺れ方が違うため、境界部分では水道管に引きちぎられるような力がかかります。)

 

 ライフラインの地震対策

このような被害を防ぐため、電気やガスなどの配管には様々な工夫が施されています。例えば、従来の金属製の水道管に代わり、ポリエチレン製の水道管が用いられるようになっています。従来の固い素材の水道管は急激に力が加わるとすぐに折れてしまいました。そこで、最近ではしなれることによって引きちぎる力に強い特性を持つ、ポリエチレン製の水道管を用いることが多くなりました。また、ポリエチレン製の水道管は熱により接着できるため施工が簡単でつなぎ目から漏水する心配も無いメリットもあります。

また、配管の下に活断層があることがあらかじめ分かっている場合には次のような対策を取ることが出来ます。

 

※クリックで大きな画像を表示します。

 

写真のパイプラインはアラスカで産出する石油をアメリカ本土まで運ぶためのパイプラインで、左はアラスカで発生した巨大地震の前、右は地震発生後の写真です。少し見づらいですが、左右の写真ではパイプラインとパイプラインが乗っている高台の位置の関係がズレています。さらによく見ると、パイプラインを乗せている基盤の下にレールの線が見えると思います。基盤の下にレールを設置してパイプラインを可動式にすることにより、基盤は地震前後で垂直方向に75cm、水平方向には4.2mも移動していますが、パイプラインは地震による破壊を免れることができました。


 

ギャラリートークで説明されたように、生活に不可欠なライフラインは過去の教訓を基に様々な対策が取られてきています。地面や地下に設置されているという特性上、先日の熊本地震のような巨大地震に対しての被害をゼロにするのは難しいかもしれませんが、被害を最小限にとどめ、一日でも早く復旧するための対策を取ることは重要だと思います。

 

企画・常設展見学

講演の後には地震の揺れを再現する装置により熊本地震の揺れの再現もありました。装置中央のかごが左右に大きく揺れる様子を見て、このような揺れに見舞われたら生きた心地がしないだろうし、物が飛んできても身動きが取れず避けることが出来ないだろうし、揺れが収まっても恐怖とパニックで冷静に行動する自信が無いなあと思いました。

 

 

最後に展示物を見て周りました。熊本地震の被害をまとめたコーナーでは、壊れた道路や断層によりズレた棚田などの写真が展示してあり、改めて被害の大きさを実感するものでした。その他にも、常設展にある避難生活を少しでも快適に過ごすためのコーナーも見てきました。味にこだわった非常食やプライバシーを保てる一人用テントなどが展示されており、ここ数年で発生した大きな地震では避難生活によるストレスで体調を崩してしまった方が大勢いらっしゃるというニュースをよく耳にする中、このように避難者のストレスを軽減する対策も大切だなあと感じます。家にある非常用品も、ただ生き延びるだけでなく地震のストレスを少しでも軽減するという視点を持って、自分や家族の好物を入れておくことや、耳栓や目隠しなどの周囲のノイズをカットするもの、本やトランプなどのかさばらない娯楽用品を入れてくことも考える必要があると思いました。

 

この企画展は7月9日(土)まで(日、月、第2、第4火曜日は休館)の13:00~16:00に開催されています。今回紹介した企画展の他にも、過去の記事で一部紹介した常設展も減災についての知識が分かりやすく説明された見ごたえのあるものとなっているので、興味を持った方は是非訪ねてみてください!

 

過去記事「減災館展示とギャラリートーク」

http://jukensei.jimu.nagoya-u.ac.jp/blog/9.html

※ギャラリートークの内容は過去のものであり、現在の内容とは異なります。

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