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岩崎絵里加

情報学研究科社会情報学専攻博士前期課程修了生(2020.3現在)
出身地: 静岡県

2018/03/21

名古屋大学オープンレクチャー2018に参加しました

みなさんこんにちは、経済学部4年の岩崎絵里加です。

今回は、3月21日(水・祝)に行われた「名古屋大学オープンレクチャー2018」を取材しました。

 

「名古屋大学オープンレクチャー」は名古屋大学の研究者が最先端の研究をわかりやすく解説する公開講座です。このイベントは5年以上前から毎年開催されており、今年度は7つのテーマの講座が開かれました。その中で今回は「放射線を使ってガンを退治するはなし」を受講しました。「放射線」と聞くと、2011年に福島県で起こった原子力発電所事故を連想する方は少なくないと思います。人体に有害なイメージのある放射線が病気を治すのに役立つとはどういうことなのか、また、そもそも放射線とは何なのか、工学研究科教授の瓜谷章先生からお話を伺ってきました。

 

放射線とは?

放射線とは、大まかに説明すると、原子や分子を構成する粒のつながりを壊して粒を吹き飛ばす力を持ったものです。人間の体は細胞が集まってできており、細胞は分子が集まってできています。放射線が細胞に入り込んでしまうと、細胞を構成する分子が壊れる、すなわち細胞の一部が壊れることになります。正常な細胞のDNAに放射線が入ってしまうと人体に悪い影響が出ますが、一方、異常なガン細胞に放射線が入るとガン細胞が壊れ人体に良い影響が出ます。

 

全ての物質は放射線を発しており、自然に発せられる放射線は自然放射線と呼ばれます。平均的な人は、宇宙や大地から発せられるものや食べ物に含まれているもの、空気中の微量なガスに含まれているものなど、年間2ミリシーベルトの自然放射線を受けています(シーベルトは放射線による影響の大きさを表す単位)。ちなみにCTスキャンを1回受けると約7ミリシーベルトの放射線を受けます。ただし、一度に大量の放射線を浴びるのは危険です。例えば、全身に一度に4000ミリシーベルトの放射線を浴びると、場合によっては死に至ります。

 

 

シンチレーターという放射線を測定する機械です。円筒形の部分の先に放射性物質を近づけるとピッピッと音がなります。線量が大きいほど音がたくさん鳴ります。講義中にはラジウムボールを近づけて実演して見せてくださいました。

 

 

ガンや悪性腫瘍の放射線療法について

細胞が集まることで組織ができ、組織が集まることで胃や小腸といった器官ができます。正常な細胞はうまく組織を作って調和を保ちながら増殖や細胞死をしていきますが、ガン細胞は和を乱して絶えず分裂し増殖を続けていきます。細胞のDNAは修復作用を持っており放射線が当たっても必ず壊れるわけではありませんが、細胞が分裂する過程ではDNAの鎖が乱れるため、細胞分裂時は放射線に弱い状態となります。すなわち、ガン細胞は慢性的に放射線に弱い細胞であり、放射線がガン治療に効果的であるといえるのです。

 

そもそも、ガン治療には大きく分けて手術療法、化学療法、放射線療法の3種類の方法が考えられます。手術療法は手術を行い、ガン細胞の集まりを切って取り除く方法、化学療法は血液を通して全身に抗がん剤を巡らせ、ガン細胞を死滅させる方法、放射線療法は病巣に放射線を当てガン細胞を死滅させる方法です。放射線療法には2つのメリットがあります。1つは体への負担が少ないこと、もう1つは体の機能や形を保ったまま治療ができることです。放射線療法は、手術療法のように傷を作ることもなく、化学療法のように全身に影響が及ぶこともあまりありません。ゆえに、放射線療法はガン患者の生活の質(Quality Of Life)を損なわない治療法であるともいえます。

 

研究段階の放射線治療法としてBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)が挙げられます。ホウ素という中性子に反応する物質をガン細胞に取り込ませ、そこに熱中性子線という従来の治療で使われていたものより強い放射線を当ててガン細胞の中で核反応を起こし、ガン細胞を死滅させる方法です。この方法だと特に脳腫瘍に見られるような正常な細胞の間に入り込んだガン細胞を効果的に死滅させることができるようです。

 

感想

会場を見渡した限り、参加者の約9割が中高生なのではないかと思うほど、中高生の参加者が多かったことが印象的でした。講義後の質疑応答の時間にも中高生から柔軟な発想の質問が飛び、今日この場に来ている人たちが20年、30年後には最先端の科学研究に携わるようになるのかもしれないと思うと、なんだかわくわくしました。

「最先端の研究ってどんなことしてるのかな?もっと知りたいな!」と興味を持たれた方は、また来年、きっと開催されるだろうオープンレクチャーを楽しみにしていてください。

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

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